アラサーOL 水無月の日記

手取り17万。みなづきです。日々思う事など。

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冗談にうまく返せない私

      2017/11/19

冗談にうまく返せない私

仕事をしていると、いつも給料明細をくれる
天使のような顔をしたおじさんが近づいてきて、こそっと封筒をくれた。

どうやら、寸志という名のボーナスをいただけたとのことらしい。封筒の中には、明細が入っている。
私は、お礼を言った。
おじさんは去った。

私は、封筒を、自分の手帳にはさんだ。
ついでに、今月のスケジュールを見ていた。

すると、後ろから、席の離れた女の人が近づいてきて、
「どんな美味しいものを食べに連れってくれるのかな♪」
と言った。

何の話かよく分からなかったが、スケジュール帳に、今月の忘年会の予定が書き込んであったので、
スケジュール帳を見られたのかなと思い、
「ん…? あ、忘年会の話ですか?」と聞き返した。
それでもなお、女の人は、「どんな美味しいものを食べに連れってくれるのかな♪」
を繰り返していた。

ここでやっと、女の人が、私に、その寸志で何か美味しいお店に連れてって、という冗談を言っていたのだと気づいた。
が、ボケに気付いたはいいが、ツッコミが思いつかなかった。
口をぽっかり開けたまま、私は黙ってしまった。
女の人には、「んな金あるかー、って言わなきゃ」
と、笑われてしまい、私は、その言葉の返事にも迷い、
「すみません…。なんて言えばいいのか分からなかったもので…」
と、私が芸人なら、もう死んだほうがいい返事をしてしまった。

でも、寸志はあくまでも、こっそりと手渡されたものだったため、
私は、まさかこの女の人が、寸志の話題を振って来るとは思わなかったし
そもそも彼女に私が寸志を貰った事を知られているとも思っていなかった。

そのうえ、ボケまでされたら、もう訳が分からなくなるのも無理はない
と感じて、うまくツッコミできなかったことを、恥じなかった。

この出来事を、トイレの綺麗な洗面台の前で、鏡を見ながら、ぼんやり思い出していた。
午後3時33分のトイレの窓からは、夕日になりかける空と、暮れかけの陽が見えて、綺麗だ。

私は、自分のことを恥ずかしいと思わなかった。

景色を見ながらそのことを思い出すと、不思議な気持ちになった。
今までの私だったら、きっと恥ずかしくなって、相手に逆に気をつかわせてしまったことを後悔し、
機転のきかない自分が嫌になっていたに違いないのです。

私が、今回こんなに自由な気持ちになれたのには理由があって、
声をかけてきた女性に対して、私は苦手意識を持っているし
そこまで親しくなりたいタイプではない
ということなのです。

嫌われても、機転がきかないと思われても、つまらない奴だと思われても、別にいいやと思ったのです。

皮肉な話ですが、少しでも、自分をよく見せたい、好かれたい、と思う相手の前では
素の自分で居ることは無理です。
どうでもいい人や、好きじゃない人の前では、真の自由になるのかもしれないなぁ…
と、今回のことを通して思いました。

帰り、私が廊下を歩いていると、例の女性が近づいてきました。
「スパスパですか?」
と聞いたら、タバコの箱を覗かせながら笑っていました。

その笑顔を見ていると、ああ、この人は、昼間のことなんか、もうすっぱり忘れてしまってるんだろう
と思いました。

彼女のそんな、サバサバしたとこは、すごくいいなぁ、と思い、
二人で下りのエレベーターに乗りながら、
私は彼女のことを、
少し好きになりました。

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